これまでの記録

高温超伝導送電ケーブル:Nov. 2, 2004)

高温酸化物超伝導線材を用いた送電ケーブルが実用段階に入ってきた.SUPERCOM Vol.13 No.5 にもあるようにアメリカだけでなく,中国,韓国でも実用試験をかねた発注が行われ,成果が報告されている.残念ながら私の知る限り日本では電力会社などから発注はまだ聞かれない.超伝導材料研究では世界のトップを行くというのに,経済が停滞しているためだろうか,企業トップがまだ不安を感じているのだろうか.もうテスト段階は過ぎているように思えるのですが.

「最近の新超伝導体探索研究」:Nov. 2, 2004) 

上記表題でワークショップが開催された(超伝導科学技術研究会 Oct 26).1.水和コバルト酸化物(高田)2.バイロクロア(広井)3.磁場誘起(宇治)4.ノンドープ系(内藤)5.ダイヤモンド(高野)6.14K有機超伝導体.いずれも最近発表された新超伝導体探索の成果である.一半参加者からは資料代を取るようになって資料はかなり良く書かれている.ダイヤモンドの超伝導については最近号のSUPERCOMにも掲載されている.(資料は未踏科学技術協会

Tcの電流方向依存性:Oct 7, 2004)

UNi2Al3のエピタキシャル薄膜において測定電流をa-軸方向に流したときと c-軸方向に流した時とでTcに違いがある(Tc(I//a) - Tc(I//c) = 0.05 K)という報告があった(Phys.Rev.Lett. 93(2004)097001).著者等はこの徴候は単結晶のデータ(Jpn J.Phys.Soc., 65(1996)1555)にも現れている,と述べている.単結晶のデータは超伝導遷移の部分が拡大されていないので明確には分からない.違方性のある超伝導体でも電流方向によってTcが異なるという報告は初めてではないでしょうか.この電流方向によるTcの差(0.05 K)は本当でしょうか.

 

ダイヤモンドの超伝導:Oct 1, 2004)

ダイヤモンドにBをド-プすると超伝導になることが報告された(Nature 428(2004)542, ISTEC Web21(解説)).Tc(on)=3.61 K, Hc2(0)=7.7 kOe , Hc1(0)=27.7 Oe, ξ(0)=210 A.高野等の最近のデータ(Appl.Phys.Lett., 85(2004)No.14)によればMPCVD法でSi(001)基盤に作製した(111)-oriented B-doped filmでは Tc(on)=7.4 K, Hc2(0)=7 T, Hirr(0)=5.12 T, Jc(H=0,T=0)=200 A/cm2 が得られている.試料作製など詳細は論文を見て下さい.

BC3の超伝導:Jul 13, 2004)

F.J.Ribeiro & M.L.Cohen (PRB069212507) の最近の計算結果によれば、metallic ABC-stacking BC3 0.2 -0.3 hole/cell のド-ピングでTc = 22 K の超伝導が実現できるだろう、と述べている。LiBCと同じ結果になるかも知れないが、どなたか挑戦してみて結果を報告してくれる人はいませんか。なお、試料作製に関しては「The compound BC3 is synthesized using the chemical reaction of boron trichloride and benzene.」として文献が引用してある。

LixBCの超伝導:May 27, 2004)

MgB2の超伝導の発見以後、その超伝導発現機構に関連して多くの研究がなされた。中でも類似構造を持つ物質の超電導性は多くの関心を集めている。計算結果に寄ればhole-doped LiBCは高いTc(65K、105K)を持つと報告されている。実験では半導体を示すLiBCからLiを抜いてhole dopingするのが難しく、実現できなかった。Fogg, et al (Chem.Commun., 2003, 1348-1349)によればNb-ampoule に真空封入して1500Cで長時間反応させることに寄り(x=0.5)までの試料を得たという。しかし、2Kまで超伝導は実現していない。計算に利用されたパラメータはほぼ実現しているとしている。それでも超伝導が実現できないのはdopant の回りの局所的な電子状態(格子も含む)が計算と違っている可能性がある、としている。巨匠、Matthiasの「理論から予測されたもので新しい超伝導は実現したためしがない」を、またも打ち負かすことができないのだろうか。計算物理学者の反応を期待したい。

 

ISTEC報告会:May 20, 2004)

田中所長は基調講演で3つの点を強調した。1。Bi系線材を用いてリニア用マグネットの試作を行い、永久電流稼動に成功した。減数率は0.5 %/day と少なく、安定である。2。NbSFQデバイスで、平坦化技術が進歩して6層配線が可能になり、100万接合の集積化がほぼ可能になった。3。バルク材の応用では、100KWh級フライホイールのための超電導磁気ベアリング試験で極めて安定した性能を示した。今後は国際熱核融合実験炉[ITER]の開発が始動するなど超電導産業が大きく前進する、と展望した。

Y2C3 (Tc=18K): (May 13, 2004)

秋光等は新しく合成したY2C3Tc18 Kを持つことを報告した(J.Phys.Soc.Jpn, 73(2004)530) 。我々のデータベースにあるY-C 化合物は YC(1.38), YC2(4.02), Y2C3(11.5), Y3C(not s/c at 1.15K) である。Tc18Kは異常に高いように思われる。単相を得ることが難しいとあるが、単相試料を作製して高Tcの原因を明らかにしてもらいたい。

「超電導電力貯蔵システム技術開発」報告会:(Mar 11, 2004)

すでに技術としては、従来の金属系超伝導材料ではシステムとして十分実用にたえるところに達している、という成果報告に思えた。問題は日本が目指している大規模SMESを実機として採用し、実績を積み重ねることではないか。大規模SMESのユーザは多分電力会社や大企業に限られる。コスト面でまだ不十分とすれば、ここにこそNEDOの資金を投入して開発を推進すべきときに来ているのではないか、と感じた。新材料の開発、システムの開発、はすでにプロジェクト研究の段階を過ぎている。酸化物超伝導材料を用いたSMESの開発は実機として運転をしていく中で研究を進めていけば良い。日本の経済が安定しない中、実機として発注するリスクを負う企業は現れてこない。この問題は超伝導の夢:(June 24, 2003)でもすでに指摘した。Web 21 などでも報告されているように、アメリカでは小規模SMESに的を絞って、すでに実用機として販売している、という。また、送電線に関しても政府予算で実機試験中、という。プロジェクト研究、研究、研究、***  では実技で遅れてくるのではないか。(素人からの提言)

新超伝導金属材料研究会:「超伝導MgB2材料開発」のワークショップが2月18日開催された。ここではMgB2材料の応用に向けて、線材および薄膜の両面からの現状報告がなされた(プログラムは未踏科学技術教会のHP)。FSST NEWS 100号記念特集(未踏科学技術教会/超伝導研究会)の記事はいずれも超伝導研究の現状認識としてはかなりの労作と思われます。ひとつ手にとって読まれてはいかがでしょうか。

今年度のデータのまとめ:Jan 4, 2004

2003年度のデータベース構築作業として圧力誘起超伝導体(大阪大学/清水克哉教授)、スクッテルダイト超伝導体(室蘭工大/城谷一民教授)、をレビューしていただいた。「材料データの要約」または「更新記録」から開いてみて下さい(禁転載)。

(Nd,Ce)2CuO4(Oct 28, 2003

NCCOPhase diagram として最近のPhys.Rev.B 68(2003)104524 次の図が載っていた。酸素量がz>4 となっているのでこの分野の専門家、東北大学の山田先生にお尋ねしたところ、「超伝導を示すNd1.85Ce0.15CuOzzの絶対値が4以上か以下かはまだ研究者の間でコンセンサスが得られていない」という返事であった。この系はas-grown試料を還元すると超伝導が得られるとされているがas-grown試料の酸素量zの値は分からないのだろうか。初期の頃のデータでは超伝導体はz<4 であった。(御意見などありましたら連絡ください)

MgB2 など:(August 15, 2003

SuperCom 64号(2003/8)にはMgB2特集企画と誌上討論「超電導エレクトロニクスはどこまで進んだか」の2つの特集記事がある。MgB2特集の材料開発に関する記事ではMgB2関連物質のまとめが載っている。我々のデータベースの「材料データの要約」の(Mg,T)(B,M)2には我々がDBからまとめたものを載せていますので、これも参照して下さい。データの詳細はメンバー登録後にデータベースで検索して下さい。「***エレクトロ***」特集ではこの分野の現在の最先端の状況が良く把握できる記事になっています。興味のある方は是非読んで下さい。コーディネーターの蓮池さんは現状をまとめて、「SFQのディジタル応用はルータやサンプリングオシロスコープなどのプロトタイプ実現に向けて「死の谷」を渡ろうとしており、フィルタやSQUIDは顧客の獲得を目指してコストダウンという大きな「ダーウインの海」を超えようとしている段階である」と締めくくっている。(「死の谷」、「ダーウインの海」の意味については蓮池さんの解説)。なお、SuperComはわれわれのHPからもリンクされています。

超伝導の夢:(June 24, 2003

超伝導科学技術研究会第29回シンポジウム「超伝導の夢」が早稲田大学井深大記念ホールで開催された。私の参加メモから:

[堀上] 日米欧ともに応用に関しては国家プロジェクトが主流である。日本は民間企業が投資に消極的であり、将来が心配である。その原因は現在の経済状態を反映してか投資が短期的になっているためである。コスト面だけを考えれば周辺技術の開発を伴う超伝導機器は現状ではコストが高くなる。我々としては企業が関心を示すようにデモ機を作ってみなければならない。その費用が足りない。ここで遅れを取ると周辺技術が欧米に押さえられる危険がある。

[高柳] 量子コンピュータの研究では日本は遅れている。予算、人材共に少ない。研究室単位で研究しているのはNTT NEC だけで大学にもない。今日の私の話を聞いて、この分野の研究に参加される人材が増えることを望む。とはいえ、量子コンピュータの概念がすんなり受け入れられる世代は若い世代である。大学で「はじめに量子論ありき」から入った世代でない我々には難しいようだ。若い世代に期待しよう。

[秋田] 超伝導ケーブルはかなり実用化に向けて進んでいる。500Mケーブル試験は近く公開される予定。電力が自由化になり、投資が短期的にならざるをえなくなった。このような時代に超伝導ケーブルやSMESは有力な電力供給手段である、という話は私にとって画期的であった。ビルをすべて超伝導線機器で設計した場合の経済的得失をシミュレーションしているそうである。私としては、長距離送電だけでなく都市内の送電を超伝導線で地下埋設し、道路の邪魔をしている電柱をなくしてもらいたいのだが、そのシミュレーションは出来ないですか。修理、増設などを考えると地上でできる現在の方式が便利なのかも知れませんが。

以上、私の感想。

詳しい報告はFSST NEWS に載ると思いますのでそちらを御覧ください。

 

論文の共著者:(May 28, 2003

パリティ(vol.18 No.01)「118番元素の証拠は偽造と判明」が載っている。生のデータよりも解析が重要な論文では「1999年の実験で未処理のデータファイルを直接解析したのは、実験チーム内でエキスパートとして認められていたニノフただ一人だった」という状況が解析データの捏造を可能にした。共著者は疑問を持つより「新発見の共著者」の栄誉を重視したのだろうか。昨年度<トピックス>を賑わした「Shon 論文」も同じ問題を含んでいる。いずれも調査委員会は共著者に責任無しとしている。共著者の責任はこれで良いのだろうか。研究業績が論文数に偏重しているためか一つの論文の共著者の数は増加してきている。ある有名な教授は弟子達の論文に全て共著者になった。その結果まったく逆の結論に達した二つの論文の著者になったことになる。そのために有志から批判を受けたと言う話もあった、と聞いている。やはり、自分の名前にはそれなりの責任を持つことが大切であることを認識しよう。

 

FSST第56回WS(May 16, 2003

3月14日、NIMS で超伝導研究会第56回ワークショップ「Bi系線材の新展開--- Jcの一桁向上を目指して」が開催された。(熊倉)1.組織制御  c軸配向しているものをさらにab面でそろえる。2.ピンニングを導入する (ただし、照射によるピンニングは応用としては放射能などの問題があって難しい)3.異方性の制御  異方性を小さくする。この3つのファクターを改善してJcを一桁上げることができるのではないか。(下山)ピンニングはブロック層に入れても効果はない。 CuO2 layer Co,Zn doping で導入する。Tcは下がるがJcは上昇する。(低温応用20 - 40 K)(山崎)以上のJc上昇の議論はDCについて言えることでACでは意味がない。AC応用ではAC-lossが一番の制限要素である。(私見:応用を考えると、それよりも現在必要なのは実際に応用することではなかろうか。日本はすでに研究段階における線材の性能は世界のトップである。しかし、昨今の経済情勢からそれらを使うプロジェクトが出てこない。例えば電力輸送なら原研や電力会社から超伝導線材を使った電力輸送のプロジェクトが予算化されるべきではないか。それによって必要な周辺技術が向上し、実用化が進むはずである。私見)---報告はFSST NEWS に室町の記事がある。

 

CoO2面を持つ超伝導:(March 18, 2003

CuO2面以外にCoO2面を持つ超伝導体が発表された(Nature 422(2003)53).NaxCoO2 を酸化処理して得られたNaxCoO2.yH2O (x=0.35, y=1.3) Tc = 5 Kの超伝導体になる。結晶構造はCoO2 層間に酸化処理により H2O を層間物質としてインターカレートした構造をしている。高温超伝導体ではCuO2 層の超伝導に起因していると考えているだけに、今回の発表は面白い。

Schon's 論文撤回:(Mar 13, 2003

Nature 422 (Mar 6, 2003)はNature に掲載されたSchonの論文7遍を撤回する、と発表した。撤回対象論文は:413(2001)713, 408(2000)549, 414(2001)434, 413(2001)831, 410(2001)189, 406(2000)702, 403(2000)408 である。これでFETに関連したSchonの論文はほぼ完全に撤回されたことになる。

Schon's data の取り扱い:(Mar 6, 2003

ユーザからSchon 論文のデータの取扱いについて質問があった。ニュースによれば「Science は共著者からの論文の撤回要請により8本の論文を撤回する」とあった。撤回とは何を意味するかは分からないが、実際にはアーカイブで論文が削除されているわけではない(現実に今も我々は入手することができる)。そこでわれわれはデータベースのデータのコメント欄に注意書きをつけることにした。この「トピックス」で詳細は報告してあるのでユーザの判断で利用して下さい。(家先生の報告「パリティ Vol.17 No.12」も参考にして下さい)

Li の超伝導:(Feb 18, 2003

2002年Nature(K.Shimizu, et al. 419(2002)597) Science(V.V.Struzhkin, et al.298(2002)1213) にほぼ同時に「Li の超伝導」の論文が出た。約23 GPaの圧力でfcc-Liに超伝導が出現し、圧力とともに急激にTcは高くなり、38 GPaTc16K にも達する。さらに圧力をあげるとcI16-phase となり、p=48 GPa Tc = 20 Kにも達する(ただし、Science の論文では60 GPa を越えてもTc17 K程度である)。両論文とも「これらの結果は金属水素での高いTcを期待させるものである」と結んでいる。

PuCoGa5 の超伝導:(Feb 18, 2003

プルトニウム化合物PuCoGa5が高いTc=18.5 K)を持つ超伝導体であると報告された(Nature 420(2002)297)Puの放射線のために(?)月に0.2 KTc減少がある。報告されたデータは:Tc=18.5K, Hc2(0)=74T, Hc1(0)=350 Oe, ξ(0)=21 A, λ(0)=1240 A, κ=32, γ=77 mj/mol.K2, Θ=240 K, ΔC/Tc = 110 mj/mol.K2. structure-type=HoCoGa5, a=4.232, c=6.786。(Hc1, ξ, λ, κについては温度の記述がないがここでは0Kの値として示した)この構造を持つ超伝導体はCeMIn5 (M=Ir, Rh, Co)がある。(データはすべてデータベースに追加されます)

ベル研調査報告書Nov 14, 2002

先に報告された報告書(このサイトからダウンロード)は化学論文の調査の中でも第一級のレベルの調査報告書と思われるので、この中の Appendix E: Elaborated Final List of Allegation を翻訳して公開することにした。専門用語の翻訳に難があるが調査委員会の結論とその理由について、ほぼ正しく理解されると思う。なお、翻訳は図面を除くテキストのみであるので図は原文を見ていただきたい。FET 構造の基礎と成る絶縁膜作製に関する論文(Sputtering of alumina thin films for field-effect doping, preprint )についても詳細に検討され、この論文も偽造であると結論している。従って、追試を試みた研究者がすべて失敗していると言われる絶縁膜は存在が認められなかった。 Science では Schon の論文8本は共著者からの要請で撤回されるとのことである。Schon 論文に関する記述はこれを持って終わりとしたい。

(続)J.H.Schon 論文の信頼性Oct 11, 2002

調査結果が9月25日公表された。127ページにも及ぶ膨大なものである。ことは研究者の研究生命に関係するため、最新の注意が払われているようである。結論は「多くの論文にカイザンが認められた」ということで、この調査結果を元にJ.H.Schon 氏はベル研究所を解雇された。さて、超伝導に関する部分について調査結果はどうなっているか。例えばC60に関する電気抵抗のグラフは「数学的関数を使って作られたもので、異なるゲート電圧のグラフはあるファクターを掛けたものである」と結論している。調査結果の個々の論文の結論で「H.Schon has acknowledged intentionally fabricating data for this paper」となっており、データが捏造されたのは明かとなったようだ。しかし、まだ超伝導は観測された、と彼は主張しているようなのではっきりしない。いずれにせよ、生データはあるのかどうか分からないが提出を拒んだということである。従って、<トピックス>でしばしば報告したFETによる超伝導は現在のところデータベースには入れない方が良いと思っています、たとえ、Nature Scienceに掲載された論文でも。両雑誌はまだなにも言及していない(私の知る限り)。

(続)J.H.Schon 論文の信頼性June 20, 2002

SUPERCOM 最新号にもあるように調査団が結成された。団長はBeasley 教授(スタンフォード大学)。疑惑の詳細はNature 417(2002)367, Science 296(2002)1376 に掲載されている。これによると疑惑のデータは超伝導論文には至っていないが、FET(Field Effect Transister)構造によるキャリアードープに関するところで疑惑がもたれているので、その技術の成功の上に成り立つ超伝導にも当然疑惑が向けられている。新聞などは面白く報ずるが、科学の分野では冷静に調査結果を待ちたい。レフリー制度の欠陥も議論されている。

J.H.Schon 論文の信頼性 (May. 29, 2002)

www.asahi.com  5/27 のニュースで Nature に掲載された FET 超伝導についての一連の論文に捏造の疑いがあるとして調査が入ったと報じた。これまでに報告されたFET(Field Effect Transister)構造によるキャリアードープによる超伝導は(このコーナーにも記載されている)C60(52K), C70(7K), Pentacene(2.0K), Tetracene(2.7K), Anthracene(4.0K), Ca14Cu24O41(14K), CHCl3-doped-C60(80K), CHBr3-doped-C60(117K) などである。これらのデータは本物でしょうか。調査結果が待たれます。

前田 弘 in Florida  May.15, 2002

前田さんが昨年から約10ヶ月の予定で国立強磁場センターで研究されています。今回、FSST NEWS のために研究生活など近況を書いていただきました。未踏科学技術協会の承諾を得てここに掲載します。<前田レポート>

室温超伝導の可能性 May.14,2002

東大の内田教授は今回FSST NEWS No.91 でグループの研究結果を解説した。Bi-2212 STM観察結果によると、ミクロに見るとギャップはCuO2面内で不均一に分布し、Bi-2212 の最適ドーピング試料ではΔ0の値が 20-60 meV に分布している。「Δ0=50 meV というのはdBCS理論ではTc300Kに相当する」から、微少領域ではうまくすれば室温超伝導を実現できるのではないかと予測している。(詳しくは解説)

梯子構造の超伝導 (Dec. 13, 2001)

J.H.Schon 等はキャリアー濃度が不足して超伝導が出現しないと思われる物質についてFET(Field Effect Transister)構造を作ることにより、超伝導を出現させることに成功している。梯子構造を持つ Ca14Cu24O41 にキャリアーをドープして、Tc14 K を得た。この値は梯子構造物質で高圧測定で得られたTcの値に匹敵する。(Science 293(2001)2430 )

Fullerene C70 の超伝導 (Dec. 13, 2001)

Single crystal C70 FET(Field Effect Transister)構造を用いて電子をドープすることにより超伝導体が得られた。J.H.Schon 等の一連の実験でドープ量が C70 当たり4個のときがTcが最も高く、Tc=7K が得られた。(Nature 413(2001)831)

BeB2.75 の超伝導 (Oct. 5, 2001)

AlB2-type BeB2 は存在しない。化学量論組成のBeB2.75の構造解析は別途発表。

a=9.7738 c=9.5467

Tc = 0.72 K for mass of B = 10.8

Tc = 0.79 K for isotope B<10>

Hc2 = 0.19 T at 0.1 K, ξ = 30 nm at 0.1 K

dHc2/dT at Tc = -0.3 T/K

(From cond-mat/0104063)

pyrochlore type superconductor (Sep.21, 2001)

最近、A2B2O7 構造を持つ超伝導体 Cd2Re2O7 (Tc = 1 K) が見つかった(物理学会)。これまでに報告されたデータをまとめると、次のようになる。

Cd2Re2O7

fcc : a=1.0226 nm[A], 10.2244 A [B], 10.221 A [C]

Tc=1.0 K [A], 1.33 K [B], 1.1 K[C]

γ= 29.6 mj/mol.K2 , [B] 26.6 mj/mol.K2 [C]

Hc2(0) = 0.5 T [B], 0.8 T [C]

dHc2/dT = -0.62 T/K at Tc [B]

ξ(0) = 240 A [B]

Debye T = 397 K [B]

ΔC/γTc = 1.29 [B]

structural phase transition at 200 K (1st order) [A]

thermal expansion coefficient  α(=a-1(da/dT) = 4.9 E-6 /K at RT [A]

******************************

[A] cond-mat/0109050

[B] cond-mat/0107309

[C] cond-mat/0106521

 

C60 FET Tc = 117 K (Sep. 7, 2001)

(超伝導コミュニケーションズ号外より)C60 単結晶にFET(Field Effect Transister)構造を用いてホールをドープすることによりTc=52 Kの超伝導体を実現することはすでにNatureに発表されていたが、今回、C60 に CHCl3, CHBr3を吸収させ同じような実験をしたところ、CHBr3の場合に Tc=117 K が得られた。この号外の記事によれば、ゲート印加電圧に耐える良質の絶縁膜を形成できるのは著者の一人 Schon だけであり、世界中で誰も追試に成功していないということである。

カーボンナノチューブにおける1次元超伝導体 Sep. 4, 2001

(超伝導コミュニケーションズVol.10 No.4より)香港科学技術大学の Ping Sheng 教授のグループはカーボンナノチューブが 20 K 以下で超伝導になると発表した(Science 292(2001)2462)。1次元の場合ゆらぎのために超伝導観測が困難であるが、著者等はマイスナー効果、超伝導ギャップ、電気伝導度の温度変化などから超伝導を確認したとしている。

 

鉄の超伝導 (July 25, 2001)

鉄が高圧、極低温で超伝導を示すことが実証された。

Tc(max) = 2.0 K at P = 22 GPa

超伝導を示す圧力範囲は

15 GPa < s/c phase < 32 GPa

マイスナー効果も観測されている。

Nature 412(2001)316

酸素の超伝導

パリティ vol. 14 (1999) 18

 

 

ホームページの記録更新

07.07.24 非晶質超伝導材料のデータを OXIDE&METALLIC に追加し、Quick search : AMOR で検索できるようにしました。過去のデータを追加しています。

07.04.26 このページの更新を行ってきませんでしたが、データの更新はこの間も継続して行ってきました。本日はGWを前にしてORGANIC 及び OXIDE&METALLIC のデータを更新しました。「学会・会議予定」は休止します。他のWEB サイト(たとえば、国際超電導産業技術研究所のページ)を見て下さい。

06.07.05  ORGANIC 及び OXIDE&METALLIC のデータを更新。ORGANICHelpを更新し、データの意味、単位などを追加しました。

06.04.12  OXIDE&METALLIC のデータ更新。金属系、2H-MoS2などのデータも遡ってデータを更新しています。人材不足のためINFO-DBはデータ更新が進んでいません。皆さんのデータを送って下さい。

06.02.17 OXIDE&METALLIC, ORGANIC のデータ更新。INFO-DBのデータ追加。ORGANICのグラフデータは詳細ページ(NUMをクリック)の中で見ることが出来ます。

05.12.01 サーバの変更.OXIDEMETALLICのデータを統合し,OXIDE&METALLICとした.サーバ変更に伴い,DBMSが使えなくなったので,STA-DBはユーザがダウンロードして使えるように変更し,用語解説もシステムを変更した.9月以降に収録したOXIDE&METALLICのデータを追加した.

05.09.02  OXIDE のデータ追加(5月以降に収録されたMETALLICデータはOXIDEに収録されます)

05.08.09 トピックスに,我々が秋の物理学会でデータベースを使った「ホモロガス超伝導体のTcに及ぼすCaの影響」20aPS-40を発表することを追加した.データベースのデモも行う.

 

05.06.28  OXIDE のデータ追加(5月以降に収録されたMETALLICデータはOXIDEに収録されます)

05.04.25 このページの「データ収録者のつぶやき」および「DB事務局」を更新しました.METALLIC, OXIDE OXIDE のデータ追加。事務局連絡にも書きましたが,本年度中にMETALLICのデータをOXIDEに収録し,一つのDB[OXIDE&METALLIC]となります.5月以降に収録されたMETALLICデータはOXIDEに収録されますのでそちらを検索して下さい.

05.02.10  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

05.01.26 「収録データの要約」にElementsのデータを載せていますが,私がPooleのデータブックから抜き書きしたものの中でdTc/dPのデータに誤りがありました.これは本のテーブルの単位が間違っていたもので(P=75ページ),他にもこの本のデータに誤りがあるかもしれませんので削除しました.清水先生に書いていただいたものが正しい値ですので,そちらを見て下さい.御迷惑をおかけしました.(他にも間違いが見つかりましたら連絡してください.お願いします)

04.12.28 Pressure-induced superconductor について:METALLICの中で圧力誘起超伝導体の扱いが分かりにくかったので,常圧では超伝導にならないという意味で,[Tcn = 0] で表すこととした.従って,検索結果において,[Tcn = 0]で Tcに値がある時はその物質は「圧力誘起超伝導体」であり,実験された範囲内でTc(表の値)まで超伝導を示す.critical pressure などはコメントを見て下さい.

04.12.24 バルク高温超伝導体の機械的特性および熱的特性のデータを「材料データの要約」に掲載した.これは岩手大学によって測定されたデータで,リンクによりアクセスできるようにしてあります.

04.12.10  METALLIC, OXIDEORGANIC のデータ追加。

04.11.11 「有機物超伝導体」に関してもデータを載せることにしました.[SUPERCON]の一般利用者から入ることが出来ます(まだデータ数は少ない).ここからは金属/化合物超伝導材料についてもTcに関してのみ検索できるようにしました.他の特性を調べたい時は利用者登録をして使って下さい.登録は自動的ではないのでこちらから登録完了の連絡後に使用して下さい.

04.11.02 トピックスに「新超伝導探索研究」などを追加.

04.10.13 トピックスに電流方向によってTcに差が生ずるか?  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

04.10.01 トピックスにダイヤモンドの超伝導のデータを追加.

04.07.29 T'-phase 材料の中で複数個データのある材料系のTcをグラフにしてsummary に追加(メンバー登録すれば見ることが出来ます)。後日、「材料データの要約」に追加します。

04.07.13  BC3Tc = 22 Kという計算結果(トピックス)

04.06.23  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

04.05.28 LixBCは2Kまで超伝導にならず(トピックス)

04.05.17  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

04.04.13 Y2C3 (Tc=18 K)についてトピックスで紹介。

04.04.15   MgB2のデータを最新のデータも追加して「材料データの要約」に追加しました。古いものは5月末に消去します。

04.04.08  便利帳に実験技術(ノート)としてホール係数の測定とホール素子顕微鏡を載せた。データの要約は古くなってきたものは順次新しくしていく予定です。手始めにMgB2のデータ要約を近日中に更新します。

04.03.02  NaxCoO2:yH2O について現在までのデータをまとめ、「材料データの要約」に追加。

04.02.24  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

04.02.10 ホームページが新しくなりました。左欄のログインをクリックして下さい。一つ余分の動作が入りますが、機構のデータベースとして統一されましたので、よろしくお願いします。

03.12.18 「充填スクッテルダイト化合物の超伝導」を室蘭工大の城谷一民先生にレビューしていただきました。「材料データの要約」の中に追加しました。

03.12.18 圧力誘起超伝導体の最新のデータを含む元素超伝導体のデータを大阪大学の清水克哉先生にまとめていただきました。TcdTcdPの値など、どの値を表に書き込むかも含めて先生にまとめをお願いしたものです。「材料データの要約」の中に追加しました。

03.12.17 SUMMARY DATA としてBorocarbide についてデータをまとめたので追加しました。登録ユーザーでログインしてOXIDE -----SUMMARY で開いて下さい。今回まとめたデータの一例としてEr1-xTbxNi2B2Cを示します。現在、システムの都合上ログインしないと見れません。

03.11.07  METALLIC, OXIDE のデータ追加。超伝導情報DBをテスト運用する。まだデータが少なく、用意した図面も著作権のために公開できません。しばらくはテスト運用の予定です。

03.09.10  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

03.08.04 「材料データの要約」にデータベースからIsotope effectに関するデータを取り出し、PDFファイルにして追加した。

03.07.07  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

03.07.03 「材料データの要約」にMgB2関連材料のデータのまとめを追加。ここで使用したグラフはDBsummaryにも追加されています。

03.05.26 故障修理完了。METALLIC, OXIDE のデータ追加。便利帳に「解説」を追加。ただし、pdf ファイルはNIMSの人のみ利用が可能です。トピックス追加。

03.05.16 更新するためのデータが入ったMAC-G3 が故障してしまいました。故障、修理に時間がかかっています。しばらくお待ちください。

03.04.07 便利帳にHigh-Tc Superconductor の結晶構造をリンクさせた。利用者の要望があったので泉さん(NIMS)にお聞きしてリンクさせました。泉さんに感謝します。御存知とは思いますが泉さんのHPも合わせて御利用ください。

03.02.18 トピックスを追加

03.02.04 SUMMARY に La1.85Sr0.15Cu1-xMx (M=Fe,Ni,Co,Ga,Al,Mg,V) Tc(x) のグラフを追加。

03.01.28  METALLIC, OXIDE のデータ追加。便利帳に de Gennes factor を追加。

02.11.27  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

02.11.14トピックスにベル研究所の調査結果の翻訳文を追加。用語解説にpseudo gap, spin gap, Josephson plasma resonance, pancake vortex, stripe, cold spot, hot spot, Andreev bound state, SO(5), Josephson vortex, break junction, を追加。

02.10.11 トピックスにベル研究所の調査結果を追加

02.09.18  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

02.09.05  METALLICの検索画面を改良。METALLICおよびOXIDEの検索結果の画面にDataAllを追加した。これはレコード番号(Data number)を入れるとその試料のすべてのデータが表示される機能である。

02.07.29  SUMMARY に Y2Ba4Cu7Oz-Tc(z) Tc(2126) を追加

02.07.22  METALLIC, OXIDE のデータ追加。

02.07.10 材料データの要約にCDW-superconductor を追加。詳細はDBから検索。

02.06.20  METALLIC, OXIDE のデータ追加。トピックスを追加

02.05.14 トピックスを追加

02.05.02  METALLIC, OXIDE のデータ追加 追加分

02.03.13 DBの中のλ(0)のデータを見直し、訂正した。DB上のλ(0)の値を元に代表的な材料についてAnisotropy factor を見積もり、「材料データの要約」に追加した。

02.03.06 METALLIC, OXIDE のデータ追加

02.01.25  METALLIC, OXIDE のデータ追加

01.12.13  METALLIC, OXIDE のデータ追加

      SUMMARY に (La,Pr)-123, (Er,Pr)-123 を追加

01.12.13 トピックスを更新